1分と31秒のとびら。
【14】
不思議と痛みはない。
私はいつの間にか暗いトンネルを歩いている。
目の前が眩い光に包まれたかと思うと、今度は宙を飛んでいた。
鳥になったみたい。
高い高い空の上から一気に下降すると、そこは見慣れた私たちの街だった。
2人乗りをしている自転車が1台、視界に入ってきて、私はそれを追う。
(あれ?もしかして・・・あれって私と由紀だ)
自転車は急に止まり、2人は何かを見る。