1分と31秒のとびら。
「それは一応プライバシーの問題があるので内緒ってことで!じゃあ、せんせ!ありがとーまた来まぁす!」



私は由紀の腕を引っ張って廊下に出た。

由紀はぼそっと「保健室に『また来ます』はおかしいだろ」と言ってたけど、とりあえず無視しておいた。




うわっ、廊下あつっ・・・



窓から差し込む日差しを避けながら、私と由紀は教室へ向かう。




少しだけ先を歩いて、恥ずかしいから振り向かずに、



「由紀、ありがと」


と、つぶやいてみる。




少し遅れて、小さく「うん」という声が返ってきた。


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