1分と31秒のとびら。
「・・・・・・ゃ・・・ゆ、ゆ・・・き・・・」



上手く声が出ない。

人差し指が解放されても、すぐに中指に舌が触れる。



誰もいない教室。


外からはしゃいだ声が聞こえる。



夏の暑さと指の熱さで変になりそうだった。



ふいに指から熱源が離れて、由紀がいじわるな笑みを浮かべる。




「ひより、真っ赤」



「・・・て、手、洗ってくる!!!!」


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