1分と31秒のとびら。
おばちゃんはいい人で、逆に私たちの事情を色々と聞いてくれた。



「それだったら、ワンピースとは別にパニエを作ればいいよ」



「「ぱにえ?」」



さすがの由紀も知らなかったみたいで、二人で首をかしげた。


おばちゃんは「ちょっと待ってて」と言って、奥から白い生地を抱えて戻ってきた。



「このチュールを、ほら、こういう風にスカートみたいにして、ここにねゴムを――」


「ああ、なるほど・・・ここのところは――」



由紀は熱心におばちゃんに質問して、おばちゃんも嬉しそうに説明している。

・・・完全に置いて行かれた。


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