素直になりたい、

休み時間、トイレに行く途中女の子と喋っている勇次がいた。


真っ直ぐ女の子の方を見て優しい笑顔で何かを喋っていた。




トイレに行くにはその2人の横を通らなければいけない。




もうトイレは諦めようかな…

なんて思ったけど限界だから行くことにした。





横を通った時、

「じゃあ、勇次また後でね」

ハッキリと女の子の声が聞こえた。






この声…昨日の女の子の声だ。




高音の可愛らしくて女の子らしい声。
それに勇次を呼び捨て…
間違いない…





「分かった」

勇次は優しい声で返事をしていた。







ねぇ…私が横通ったの気づいた?


ねぇ…勇次…

いつもみたいに「美祢ちーん!!」ってうるさく叫んでよ。



「俺の彼女ー」って抱きしめてよ。



もう、勇次の手を払ったりしないから…

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