月の下の砂漠の上で
ある火曜日 in 日本
ピンポーン ピンポーン
「これ今日の分のノートと配られたプリントです。」
「いつも ありがとうね、菜々美ちゃん」
「…おばさん、美月は まだ見つからないんですか?」
「…えぇ」
「どうして美月が行方不明なんかに…」
「菜々美ちゃん、美月は…いえ 何でもないわ。気にしないで」
本当のことを言って菜々美ちゃんを困らせてはいけない。
「おばさん、元気だしてください。美月は必ず見つかりますから。」
「ありがとう…」
「また 明日も来ますね」
「えぇ、気をつけて帰ってね。あ、これ菜々美ちゃんに」
「わぁ、クッキー ありがとうございます」
「ううん、これくらいしかできないから。いつものお礼よ」
「はい!じゃあ 失礼します。また明日ー」
私の前じゃ すごく明るく振る舞うあのコ。でも、いつも目は赤くなって潤んでいた。
あんなにいい友達を持って美月は幸せよね…