月の下の砂漠の上で
「なんでそんな笑顔と言葉使いしてるんですか?」
「…女なら喜ぶはずなんだけど?」
けっこう自意識過剰すぎな気がする
全く喜べないしむしろ背中がゾッとする。顔は本当に整ってるけど 態度と性格が私には無理。
睨みを利かせながら警戒していると
「最初の噂は本当だったんだね。」
「噂ですか?」
「パッとしないどこから来たのかわからないような女が王の侍女になったって噂。初めは騙されたよ、宴で見たときは容貌も品位も最高の女だったから」
たぶんナチの化粧の腕前がすごいだけ。
「女はこれ程 化けれるなんてすごいな」
完璧に嫌みを言われてる…
「別にいいじゃないですか。あなたに関係ないです…」
「今 流れてる噂 知ってる?王は 今までに見たこともない程 美しい女を侍女にした。そしてその女は柑瑠の舞いを舞える」
「カ ン リュ ウの舞い…?」
「今まで舞えたのはたった一人だけ。歴代の王の中でも最も繁栄と豊かさをこの国に 与えた伝説になってる王 レイル様の婚約者。」
レイルさん…聞いたことある
「もしかしてその婚約者ってセイラさん?」