月の下の砂漠の上で
「そう、知ってるんだ。レイラ様を棄てた最低の女だけど。レイラ様はそのいない女を生涯 一番に愛しつづけてたらしい」


最低の女って!!

「セイラさんは絶対そんな人じゃない!!」

おもわず敬語じゃなくなっちゃったけど、これだけはぜったい否定したかった


「まるで知ってるみたいに言うね」

知ってるってゆうか夢に出てきただけだけど…


あんなにレイルさんと幸せそうにしてたセイラさん。あれが嘘なんて思えない

「セイラさんはそんな人じゃないのは確か」

「わかった。とにかく柑瑠の舞を舞える者を手に入れたら幸せになれると言われてる」

あぁ、だからたくさん手紙が送られて来たのか…

「ふーん」

「でも今の君の姿みたら婚約申し込みの手紙は来なくなるだろうね。」


ルシエに指差されて自分の格好を確かめる。服に土がついて少し汚れていた。

髪にも葉っぱの髪飾りがなんとも独創的に飾られている。

さっき近道した時ついたのかも…

「それに今まで見たこともない程の美女にはみえないしね」

まぁ 女の子らしさなんて基から全然ないし自分が可愛い容姿をしていないことも自覚してる。

でも他人から言われたらやっぱりムカつく



こんな時は何も言わないで無視が一番だと決め込んだあたしに どんどんルシエが近づいてくる。

「ちょっと 離れ「でも君が欲しい」


ムカツいて油断してた。腕を捕まれて耳元で囁かれる声にまた背中がゾワッとなる

「俺の侍女にならないか?」

「いや、放してよ」
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