月の下の砂漠の上で
「何で?」
「兄様のだから」
「この女が王の近くにいないほうが、お前も嬉しいだろ?」
「確かに…」
え…
ちょっと待ってティマさん、そこはカッコよく現れたんだから最後までヒーローらしく助けましょうよ…?
「王には黙っといてね、面倒くさくなるから」
そう言って力強く腕を引っ張ぱられれば
「放して!!」
と叫んで腕を振りほどこうとしても男の力に女は勝てないと学ぶだけ
引っ張られてる途中 周りには人がいるのに誰も止めようとしないで見てみぬフリをするだけ。
ってゆーかこっち清浪塔があるところじゃない?
一向にこっちを振り向こうともせずどんどんと近づいている清浪塔…
握られている手は赤くなっていて痛い
この男 本当に最低…
「パシン!!」
ルシエの頭を思いっきり叩く。
「いっ…」
「いい加減にして!!そんなに権威が大事なら実力で奪いとりなさい!」
ポカーンとした顔でこちらを見つめるルシエ
「…実力?」
「そう、他人を使ったりなんかせず自分で頑張るの!こんな風に無理矢理 誰かをキズつけてまで得るなんて最低よ」
以外にもスルリと抜けた赤い腕をルシエに見せる
「痛いんだからね、すごくすごく痛くて…今ルシエがしてることは悪いことって自覚して」
「…」
何もいってこないルシエを置いてその場から離れる。