月の下の砂漠の上で

「あの、名前きいてもいいですか?あ、私…橘 美月っていいます」

「先に名乗らせてしまい、申し訳ございません。わたくし、無謀塔の管理をしている〔チグサ〕と申します」

さっきまで普通に話してたのに敬語に変わってるよね?

「あの…チグサさん、何でそんなに改まった言葉づかいなんですか?」

「ライル様の侍女なのですから、当たり前です」

言葉にはまだ刺があって怖い…

「侍女って下働きじゃないですか…。普通は、年下の私が目上の人に敬語を使うんじゃないですか?」

ナチさんはまた、私に頭おかしいんじゃないのって目をしている…

「この世界はライル様が全てです。そして、そのライル様に近い存在になればなるほど位が高いのですから」

それはライル自身が偉いんじゃないの?ライルに仕えるからって偉いなんてあり得ない

っていうか

「せ、世界!?…国じゃないの?」




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