月の下の砂漠の上で
「…様、美月様!」
「ん、…」
「起きてください。ライル様を起こしに行かれませんと」
「ライル…?」
あ、そうだ
でもやっぱり、ムーンディザート国に来たのは
夢じゃなかったみたい…
「起こしてくれてありがとうございます。」
「いいえ、務めですから。」
「務め?」
「この国のことを教えていくように申しつかりました。ナチと申します。」
大人びていて肌も白くて顔の形も整っている
「ナチさん?あ、私は 橘 美月です…」
「敬語はお止めください。身分の低い者に敬語を使うのは恥になります。ナチと呼び捨てにしてください。」