月の下の砂漠の上で

「一番な理由はライルと約束したからなんだけど、あたしにも価値観があって…まだこの国には慣れなくて…」


「美月様の国の価値観ですか?」


「うん、例えば校則とかだとスカートは膝下で靴下は黒。髪の色を染めちゃダメだし、ピアスもつけちゃだめ。ご飯は温かい物が美味しくて、目上の人に敬意をもって接しなきゃいけないし、政府は平等を掲げてる。この国にはそんなのないよね?」

「ないですが…」

「王様はいないし 国民主権を尊重しているのが私がいた日本で…。この価値観ナチにはわからないよね?」


「…はい、全く。王がいないなんて考えられません」


「私には私なりの価値観があったり…。ナチにもナチの価値観がある。…あ、でも この国のことを理解しないっていうわけじゃなくて これからもナチに教えてもらいたいと思ってるんだけど…。」


「すみません。」


急に頭を下げるナチ

「?」

「…少し美月様を誤解していました。それに出過ぎたことも」



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