月の下の砂漠の上で


「あそこがカーマの小屋だ。」

「カーマ?」

「馬の一種で砂漠に行くときにはカーマに乗るんだ。」

「あ、この前 乗ってたやつ!」

「その、隣の建物が家臣や労働者達の寮になっている」

うわー まるでホテルみたいに広いなぁ

いったいいくら掛かってるんだろ…

次元が違い過ぎる…

「お兄様ぁ!!」

「ティマ、安静にしてなきゃいけないじゃないか。大丈夫か?」

後ろを振り返れば私と同じくらいの身長の男のコがトテトテと走ってくる

か、かわいぃぃ!!

大きめのくりっとした瞳

とおった鼻筋

薄い唇

まるで西洋のお姫様みたい…

「今日は体調がいいので平気です」


「そうか、よかった。体調がいいからって無理はするなよ?」

「はい!」

嬉そうに笑う笑顔

何なの…

この可愛い生き物は!

ライルと並ぶとさらに絵になる

「…ところで この方は?」

少し怪訝そうに私をみるティマ

「あぁ、紹介する。直属の侍女で美月。」

「え…、こんなのが…?」

今なんか聞かないほうがいいことを聞いた気がする。


小さい声だけど はっきり聞こえた

…こんなのって

確かに美人でもないけど

私だって傷つくときは傷つくし


「ティマ、何か言ったか?」

「いいえ、何も!美月さん初めまして♪」

「美月、弟のティマだ」

「あ、初めまして…」


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