月の下の砂漠の上で
ここって宮殿に来て初めてライルに会ったところだ
ライルはベンチのようなところにもう座っていて私にも隣に座るように促す
「まだ 案内してないところは たくさんあるが今はお前の話をききたい」
ライルの隣に腰を下ろして何を話せばいいか考える
とりとめもなく女子高生の説明からでもいいのかな…
まぁ、いっか
「女子高生ってね高校生の女のコで」
「高校生…何だそれ?」
「えーっと…6歳になると小学生っていう勉強しなきゃいけないところに12歳まで通わなきゃいけなくて13歳から15歳までは中学校っていう勉強しなきゃいけないところに行って。16歳からは高校っていうところに」
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ぐちゃぐちゃな説明だけどライルは頭がいいみたいですぐに理解してくれた
「誰でも小さい頃に学べるなんてお前の国は豊かだな…」
「…え?」
「俺はときどき自分の政治が正しいのか不安になる。
今だって紛争や餓えて死んでいく者がいるだろう。」
「王は絶対だと誰もが言うし頭を下げる。
だが、どんなに権力があってもできないことがあった。
全ての民衆の命がこの手の中にあるのに…」