よ!ケタロウ! ~ゆうじんの戯言


私は、その時の家族の反応を覚えている。


「いい映画だったね」そんな話をしながら。


家族が涙一つ見せない私を見て、ビックリしたような…それでいて、やっぱり…という顔をしていた事を。


その時の私は、家族の表情から私への感情を読み取る癖がついていた。


表面上でしか私を感じようとしない家族の思いに、私は深く傷付きながらも。


心の内を見せない事に成功して、安堵していた。

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