図書室の天使。



教室に着くとなんの躊躇いもなくドアを開けた。


「おっす!」



片桐くんが言うと、クラスにいる人ほとんどがこっちを向いて挨拶を返した。


「疾風、碧崎さんと良い感じじゃん?」


ある男の子が片桐くんの肩に手を回しながら言った。



昨日みたいに顔が熱くなっていくのがわかる。



「そんなんじゃねぇよッ!!」


少し強い言い方で男の子に言い返した。


「昨日、碧崎さんが出て行った後
 超ダッシュで追いかけていったくせに」





 え…?




「バッ!んなこと今はいいだろっ?!」



片桐くんの顔を見ると少し赤かった。



男の子をどこかに追いやると、くるっと私の方を向いた。



「ご、ごめんな?
 アイツのこと気にしなくていいから」



首の後ろを触りながら言った。



「う、うん…」



私が言うと少し笑って、みんなの輪の中心へと入っていった。





 さっきのどういう意味なんだろ…。







< 11 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop