図書室の天使。
教室に着くとなんの躊躇いもなくドアを開けた。
「おっす!」
片桐くんが言うと、クラスにいる人ほとんどがこっちを向いて挨拶を返した。
「疾風、碧崎さんと良い感じじゃん?」
ある男の子が片桐くんの肩に手を回しながら言った。
昨日みたいに顔が熱くなっていくのがわかる。
「そんなんじゃねぇよッ!!」
少し強い言い方で男の子に言い返した。
「昨日、碧崎さんが出て行った後
超ダッシュで追いかけていったくせに」
え…?
「バッ!んなこと今はいいだろっ?!」
片桐くんの顔を見ると少し赤かった。
男の子をどこかに追いやると、くるっと私の方を向いた。
「ご、ごめんな?
アイツのこと気にしなくていいから」
首の後ろを触りながら言った。
「う、うん…」
私が言うと少し笑って、みんなの輪の中心へと入っていった。
さっきのどういう意味なんだろ…。