図書室の天使。





「片桐くんって意外と意地悪…」




頭の上の本を取りながら言った。






「ごめんって。
 でもあんな風に慌てるのも意外」






「あ、あれは、片桐くんが…」













「ねぇ、一緒に帰ろうよ」





 へ……?




片桐くんが唐突に言い出した。




「え…?
 わ、私と…っ?」





「そう。碧崎と」




片桐くんは歯を見せてニカッと笑った。



その笑顔にだんだんと顔が赤くなっていく。




「あ…、でも……」





「いいじゃん?帰ろうぜー」



そう言って、私の腕を掴んで図書室をあとにした。


< 13 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop