図書室の天使。
「片桐くんって意外と意地悪…」
頭の上の本を取りながら言った。
「ごめんって。
でもあんな風に慌てるのも意外」
「あ、あれは、片桐くんが…」
「ねぇ、一緒に帰ろうよ」
へ……?
片桐くんが唐突に言い出した。
「え…?
わ、私と…っ?」
「そう。碧崎と」
片桐くんは歯を見せてニカッと笑った。
その笑顔にだんだんと顔が赤くなっていく。
「あ…、でも……」
「いいじゃん?帰ろうぜー」
そう言って、私の腕を掴んで図書室をあとにした。