図書室の天使。



そしてそのあと片桐くんは窓際に座って本を読む私の前に座ってにこにこ笑っていた。


「ど、どうしたの…?」



集中できなくて本から目線を上げて片桐くんを見た。

片桐くんは笑ったままだ。


「だって碧崎とこんな風にいるって嬉しいし♪」


そんなことを言って無邪気な笑顔をみせた。



「べ、別に楽しいことなんてないからっ」


慌てて視線を本に戻した。





私なんかといて楽しいはずがないよ…



無口だし、みんなから浮いてるし


それでも嬉しいと言ってくれる片桐くんは
本当に優しい人なんだ…




「碧崎は本が好きなのか?」

顔を上げないままコクンと頷いた。



「人と話さなくていいから…」


そう言い終わったあとに、ハッとした。


片桐くんがいるのに話さなくていいとか…

パッと顔をあげて謝った。


「ご、ごめ…」


私が言い終わらないうちに片桐くんが言った。


「本読んでる碧崎もいいけどさ、
 みんなと話してる碧崎もいいと思うよ?
 絶対仲良くなれるって!!」



片桐くんの言葉は心に染みる。




嬉しい言葉をくれる…



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