センセイのチカラ―受験生応援小説―
ニヤついたかと思えば、さわやかな笑顔になったり、真面目な顔になったり。
どんだけドキドキさせるねん!!
「ほんまにありがとう。先生がおらんかったら、受験から逃げてるだけやったと思う。ほんまにありがとう」
素直な気持ち。
教師として、黒岩は私を救ってくれた。
「お前が頑張ったからや。俺が何を言っても、やる気がない子はそのままや。お前は最後の最後にめっちゃ頑張ったやん。俺はそれ見てきたから、合格するって信じてたよ」
両手をズボンのポケットに入れて、教室をうろうろ歩く黒岩。
「で・・・・・・俺に話って?」
「え?」
「あれ?話ないん?」
とぼけた黒岩は、教室から出ていこうとする。
「もう、俺行くで?」
「ちょっとぉ!待ってよ」
引きとめると、黒岩は・・・・・・
「ふふ」
勝ち誇ったように微笑んだ。
負けた。
完全に負けた。
黒岩は、超、上から目線で言う。
「俺に聞いてほしいことあるなら聞いたるけど」