センセイのチカラ―受験生応援小説―
「好きになるかもしれへんって言ったやろ?あれから、自分でも必死で答えを探したけど、ちゃんとした答えがまだ出ーへんねん。だから、俺の答えが出るように頑張れ!!」
右手で、私の肩をムギュって掴む。
左手で私の手を・・・・・・握った。
ヒャーーーー
男の人に手を握られるなんて初めて。
どうしたらいいん?
「好きになってもらえるように頑張る」
震える声で答える。
もう、倒れそう。
「もう、好きやで。いつからかわからんけど、お前のこと生徒以上に見てしまってた」
好きやでって・・・・・・言ってくれた。
夢じゃない。
現実やぁ~!!
「1年の時から好きやったん?私のこと」
照れ隠しに冗談っぽく言ってみる。
「はは。否定はできひんけどな。好きやって気付いたのは、お前と同じくらいの時期や」
「私が好きって言ったから?」
「そうじゃないと思う。受験のことで悩んでるの見てたら、俺が何とか力になりたいって思った。生徒みんなにそれは思うねんけど、何か違うっていうか・・・・・・」
握られた手がやっと解放された。
私は前髪を整えて、深呼吸をする。
「1年の頃から、親しく声かけてくれてたから、小阪のことは気にかけてた。でも、それは好きとかじゃないと思う。わからんけど・・・・・・今は、好きやで」