センセイのチカラ―受験生応援小説―
「小阪、放課後残っとけ」
「えー、見たいテレビあるから早く帰りたい」
「ははは。じゃあ、帰れ。明日の朝、早く来い」
「早起き苦手やから、今日の放課後の方がマシや」
「お前らしいな。じゃあ、放課後教室で待っとけよ」
えらそうに。
ふん。
私に背を向けたのは、英語教師の黒岩。
抜き打ちテストの結果が悪すぎて居残り。
私、小阪萌美。
受験間近の中学3年。
得意な教科、国語。
苦手な教科、英語。
志望校は、ギリギリラインって感じ。