センセイのチカラ―受験生応援小説―



「なんかいらんノートないか?宿題、作ったる」



私の机の中で眠ってたうさぎの柄のノートを黒岩に渡す。



「じゃあ、このノートは俺とお前の特訓ノートやからな」




“俺とお前の”・・・・・・・・・・・・



めっちゃ嬉しい。


いい響き!!





それにしても、黒岩の字、きれい。


英語を書く時、ちょっと首を傾けるところ、前から気付いてたけど・・・・・・好き。




「じゃあ、次の補習までにこの20問解いて。あとは、この例文を覚えるくらいまで何度も何度も声に出して読むこと。わかった?」



うっわ!!


めっちゃ近くで


目・・・・・・合ってる。





「わかった?」



もう一回来た!!


黒岩の“わかった?”顔、超かっこいい。





「はい。わかりました」



「なんや?お前らしくない真面目な返事やな」



「そうですか?」



「なんで急に敬語やねん。小阪は、1年の時から俺に対してタメ口やったよな。最初は生意気なヤツかと思ったけど、友達みたいでだんだん嬉しかったんやで。まぁ、時々は生意気過ぎるけどな」





そうやった。


他の先生にも親しくしゃべりかけるタイプやけど、特に黒岩には友達みたいにバンバン言いたいこと言ってた気がする。



それは、全く意識してなかったからやねんけど、先生としては好きやったんかもしれん。





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