センセイのチカラ―受験生応援小説―
ケンカ
その日の夜。
ルンルン気分で晩御飯を食べ終えて、テーブルに置いてあるミカンに手を伸ばした時。
「はよ、勉強せーよ。最近たるんでるやろ」
ビール片手に赤い顔したお父さんが一言。
は?
ご飯食べ終わって、1分も経ってない。
食後のミカンも許されへんの?
せっかくやる気になってんのに、水差すなっちゅうねん。
「わかってる」
怒りを抑えて、深呼吸。
ミカンを一口、口へと運んだ時。
「ほんまにあんたは・・・・・・ 受験生やのに、全然頑張ってないやないの」
追い打ち?
お母さんが、凹んだ心にまたパンチを・・・・・・
頑張ってない?
私、頑張ってないん?
なんで、そう言えるん?
涙がこみ上げる。
黒岩は、わかってくれた。
受験生の辛さ。
心が折れそうなくらい受験生は追いつめられてること。
まだ中学生の私達にとって、初めてって言っていいくらいの大きな試練。
それを・・・・・・
なんでわかってくれへんの?