センセイのチカラ―受験生応援小説―
私は、瑠美の家に向かってた。
10分くらいの場所にある瑠美の家。
昔から何かあると瑠美の家に行ってたっけ。
鍵をなくして家に入れんかった時とか、お母さんに怒られた時とか。
「萌ちゃん?どうしたん?こんな時間に」
玄関から顔を出した瑠美のお母さんは、私を見て驚いた顔をした。
「何があったんかわからんけど、寒いから入り!!」
そう言って、私の冷たい手を握ってくれた。
止まってた涙がまた溢れ出す。
「瑠美!!萌ちゃん、遊びに来たよ!!部屋でお菓子でも食べーや」
パジャマ姿の瑠美が、私に駆け寄る。
「萌美!!どしたん?大丈夫か?」
突然家に来る時は、何かあった時。
瑠美も瑠美のおばちゃんもちゃんとわかってくれてる。
「その顔は、相当怒ってる顔やな?黒岩と何かあった?」
「ううん」
「じゃあ、おばちゃん?」
「うん」
そう様子を見ていた瑠美のお母さんは、私の背中を押して、瑠美の部屋へと連れて行ってくれた。