センセイのチカラ―受験生応援小説―
「萌美、黒岩の個人授業やん。うらやましいわ」
私の腕を掴んだのは、友達の瑠美。
「何がうらやましいん?黒岩と私、相性悪いねんから」
「クールでかっこええやん。今さらやけど、バレンタインあげよかな」
「あんた、ほんま今さらやな。うちらもう卒業なんやで」
「せやな。楽しい高校生活が待ってるんやもんな」
楽しい高校生活か。
なーんかわからんけど、高校生活に明るいイメージが湧かへん。
先生や両親が受験、受験ってうるさいからやわ。
何の為に学校来てるんか、わからんくなる。
学校の先生も塾の先生も、合格させる為に必死やし。
うちらのことより、自分のこと考えてる気がするし。