センセイのチカラ―受験生応援小説―
―トントン
ドアの向こうから遠慮がちに顔を出した瑠美のお母さん。
「今、萌ちゃんのお母さんから電話あったよ。うちに来てるのわかってたみたい。あと1時間したら迎えに来るって」
・・・・・・お母さん。
バレとったんや。
家出にもならん。
でも、嬉しかった。
心配もしてくれへんかと思った。
勉強も頑張れへん私を、今でもかわいいと思ってくれてんのかな。
「良かったやん。萌美!!ちゃんと仲直りしいや」
「できるかな」
瑠美のお母さんが出してくれたホットミルクを飲みながら、いろんな話をした。
途中から、黒岩の話になった。
これから放課後に補習をしてもらうことになったと知って、瑠美は大興奮やった。
私の喜びを、自分のことのように喜んでくれる瑠美。
同じ高校行きたい。
瑠美と同じ高校行くために、頑張ろう。
お母さんにも謝ろう。
ごめんなさいって言えるかな・・・・・・