センセイのチカラ―受験生応援小説―
1時間後、迎えに来たのはお父さんやった。
ごめんなさいが・・・・・・言えんかった。
迎えに来たお父さんの第一声は
“瑠美ちゃん家に迷惑ばっかりかけて”
私は、ごめんなさいを飲み込んだ。
家を飛び出すくらい、悲しかったってこと・・・・・・伝わってないん?
受験生がどれだけギリギリか、わかってないん?
やっぱり、謝らへん。
お母さんも迎えに来てくれへんかったし。
家に帰っても、誰とも話さずにすぐに部屋にこもった。
黒岩の宿題をやった。
黒岩の字を眺めてると、ちょっとだけ落ち着いた。
親にうるさく言われたからって、やる気は出ーへんけど・・・・・・
黒岩が頑張れって言ってくれたから頑張る。
黒岩なら、ちゃんと褒めてくれるもん。