センセイのチカラ―受験生応援小説―



1時間後、迎えに来たのはお父さんやった。





ごめんなさいが・・・・・・言えんかった。







迎えに来たお父さんの第一声は



“瑠美ちゃん家に迷惑ばっかりかけて”







私は、ごめんなさいを飲み込んだ。






家を飛び出すくらい、悲しかったってこと・・・・・・伝わってないん?


受験生がどれだけギリギリか、わかってないん?






やっぱり、謝らへん。


お母さんも迎えに来てくれへんかったし。





家に帰っても、誰とも話さずにすぐに部屋にこもった。






黒岩の宿題をやった。


黒岩の字を眺めてると、ちょっとだけ落ち着いた。



親にうるさく言われたからって、やる気は出ーへんけど・・・・・・


黒岩が頑張れって言ってくれたから頑張る。




黒岩なら、ちゃんと褒めてくれるもん。






< 31 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop