センセイのチカラ―受験生応援小説―
「昨日、晩御飯食べた後すぐに、勉強のこと言われてん。食後のミカン食べようと思っただけやのに、嫌味ばっかり言われて・・・・・・しかも、お父さんとお母さんダブルで!!むかつくやろ!!」
黒岩は、半分笑って、半分困ったような顔で私を見てた。
ノートを机に置いて、フーっと息を吐く黒岩。
「お前の気持ちはわかる。勉強しようって思ってる時に、勉強しろって言われたらめっちゃむかつくよな!でもな、俺はお前のご両親の気持ちもわかるねん」
黒岩は、正面に座った私の目をじーーーっと見つめた。
うわ!
ドキドキ最高潮!
今さらやけど、この人・・・・・・
美形やな。
「仲直りはしてないんか?」
「うん。まだしてない」
私は、昨日家出をして瑠美の家に行ったことを話した。
「家出する気持ちもわからんでもない。俺だって中学の頃、よう家出したわ」
黒岩もそんな頃があったんや。
黒岩は、受験を控えた3年になっても、ずっとサッカーを続けてたらしい。
それは、黒岩にとっては、受験のストレス解消やったけど、親は理解してくれへんかってんて。
「でも、今になったら、親の言い分もわかる。だから、小阪も今はわからんやろうけど、いつかわかる日が来る」