センセイのチカラ―受験生応援小説―
「なかなかスムーズに読めました。はい、よろしい」
黒岩は、授業中は丁寧な言葉遣い。
英語を読み終えた私にそう言って、ちょっと笑顔を向けてくれた。
何となく・・・・・・
私にだけ特別??って感じの笑顔。
スムーズに読めたのは黒岩のおかげ。
黒岩が出してくれた昨日の宿題は、このページを3回読むこと!やったもん。
はぁ・・・・・・
私、この人の授業何十回も何百回も受けてきたんよな?
無駄にしてた。
もったいないことした。
過去の黒岩の授業を全部DVDでもう一回観たい・・・・・・!!
「小阪、ここ訳して。一回当てられたからって油断してましたね」
く、黒岩ぁ~!
そんなところも好きやけど。
バッチリ訳せた私に、また一言。
「はい。珍しくよくできました」
えへ。
褒められちゃった。
1年の時に、恋してたら私って英語の成績学年トップやったやろうなぁ。