センセイのチカラ―受験生応援小説―
最近、ありえへんことを考えてしまう。
あかんってわかってるけど・・・・・・
“伝えたい”って。
このキモチを、黒岩に伝えたいって思ってしまう自分がおる。
困るよな。
迷惑やよな。
中学生のガキに好きとか言われても、“いやいや、何言うてんの?”って感じやんな。
教え子やから、真剣に教えるのは当たり前で・・・・・・
別に、私じゃなくても黒岩は真剣に向き合うやろうし。
ちょっと優しくしたからって、勘違いするなよって思われるだけ?
「なぁ、先生?」
「できたんか?」
「ううん、まだ。先生は、失恋したことある?」
「はぁ?何や、いきなり」
「先生は、片思いしたことある?」
「えぇ??だから、いきなり何やねん」
「先生は・・・・・・好きになったらちゃんと伝えるん?」
質問攻め。
しかもこんな内容。
困った表情の黒岩もまたかっこよくて。
「ごめん。先生。困らせてごめん」