センセイのチカラ―受験生応援小説―
「うん・・・・・・こんな時期に恋なんかしたらあかんのわかってるけど・・・・・・」
黒岩を見ないようにして、答える。
黒板の文字を見つめる。
6時間目の国語の授業の内容がまだ消されずに残ってる。
「あかんことない。俺だって、中3の時好きな子おったよ。だから、頑張れた。その子と同じ高校行きたくて、頑張った」
黒岩の中3・・・・・・
想像できひんな。
同じ年やったら良かったのに。
黒岩が中3やったら・・・・・・同じ高校行けるように頑張るのに。
私はいくら頑張っても、黒岩と同じ高校には行かれへん。
もう黒岩と会われへん。
「もう会われへんねん」
口から出た言葉に自分でも驚いたけど、もう止めることができんかった。
「転校するんか?好きな男」
「違う。卒業したらお別れやねん。その人、中学の先生やねん・・・・・・」
うっわー
言ってもーたぁぁぁ。