センセイのチカラ―受験生応援小説―
「国語の成績だけズバ抜けてええからな・・・・・・」
黒岩は、そう言って黒板の方へ歩いて行った。
ちょ!
ちょっと待ってっ!!
もしかして、相手誤解してる?
黒岩やってバレるのもドキドキやけど、誤解されるのだけは嫌やぁ~!!
黒板の前で背中向けた黒岩が、ゆっくりと振り返る。
「あと少しで卒業やから、しっかり頑張れよ。ライバル多いぞ」
「あの・・・・・・ちょっと誤解・・・・・・」
「ええって。誰にも言わへんし。別に先生を好きになっても俺はええと思うで」
「だから・・・・・・あのさ、ちゃうねんって。国語は生まれつき得意なだけで!!」
私は黒板の前まで走って・・・・・・
黒岩の腕を掴んでた。
両腕を掴んで・・・・・・
何を言い出すかと思ったら、私ってば。
「好きなんは、英語の先生やねん!!」
我ながら・・・・・・
ちょっと大胆過ぎた。