センセイのチカラ―受験生応援小説―
黒岩、どんな顔してるんやろう。
私は下を向いたまま、目を閉じた。
言ってもーた。
あほやん・・・・・・
「ちょっと・・・・・・待って。英語の先生って・・・・・・」
「ごめん!!先生、今の忘れて!!」
やっと顔を上げて、黒岩の顔を見た。
戸惑ってるっていうか、困ってるというか・・・・・・
そんな表情の黒岩が、私をじっと見つめてくる。
「英語って・・・・・・もしかして、スティーブか?」
は・・・・・・??
へ??
黒岩、天然?
超鈍感?
スティーブって・・・・・・
英会話の講師のアメリカから来たイケメンやけど。
そんなわけないやん!!
「スティーブなわけないやん」
「そうやな。じゃあ、誰や?英語の担当でモテそうな先生っておらんと思うねんけど」
あ~、この人。
きっと純粋なんや。
本気で気付いてないみたい。
「ははは。先生っておもろいな。冗談やから、もう忘れて」