センセイのチカラ―受験生応援小説―
時間が止まったみたいに、静かになる。
風の音まで聞こえそう。
「俺、昨日の夜、眠れんかってんで」
「悩ませた?」
まだ顔が見られへん。
絶対、めっちゃかっこいい顔してるんやで、黒岩。
見たいけど、恥ずかしい。
「お前の気持ち、全く知らんかった。3年間もお前が俺を想っててくれたなんて・・・・・・ごめんな」
へ?
出た!
黒岩の天然発言!
誰も3年間好きやったなんて言ってないやん。
「3年間??」
「思い返せば、1年の時から何となく、小阪は俺の近くにいたな、って」
やっと顔を、見た。
照れくさそうにおでこを触りながら、黒岩が申し訳なさそうな顔をしてる。
「1年の時?」
「それに、修学旅行のおみやげももらったなって思い出した。気付いてあげれんくて悪かった」
修学旅行のおみやげ・・・・・・ですか??
そんなん渡した記憶ないですけど。
「修学旅行のおみやげって?」
「俺が修学旅行に同行できんかったから、お前おまんじゅう買ってきてくれたやん。そう言えば、あれがお前の愛情表現やったんか・・・・・・」
違う!!
全然違う!!!
てか、おまんじゅう・・・・・・
記憶から消えてる。