センセイのチカラ―受験生応援小説―
好きでええって言ってくれた。
私は子供で。
黒岩は大人で、先生で。
受験生はテレビ見たらあかん、ゲームしたらあかん、雑誌読んだらあかん・・・・・・恋をしたらあかん。
あかんあかん、だらけの日々の中で・・・・・・
黒岩は言ってくれた。
恋をしていいと。
俺を好きでいいって。
その分頑張る。
頑張れる。
めちゃめちゃ頑張ってみせる!!!!
「な、小阪。できるか?」
頭に手を乗せたまま、ちょっと背中を丸めて私の身長に合わせる。
「うん。できる!!」
「はい。よろしい」
両手で、頭を押さえて。
その手を肩に乗せて、にっこりとほほ笑んでくれた。
「英語の成績、上がらんかったら・・・・・・俺への愛が足りひんってことやからな」
そんなキザなセリフを残して、黒岩は去って行った。
顔が熱い。
体が震える。
人生初の告白は、想像以上にキラキラして・・・・・・
ドキドキして。
生きてて良かった・・・・・・なんて思わせてくれた。
黒岩を好きになって、良かった。
中学3年の、最後の最後に訪れた最高の時間。
短い時間やけど、黒岩を好きになれて良かった。
もっと早く好きになっていたらって思ったけど、短くても好きになれてほんまに良かった。
いろんなこと教えてくれた。
友達っていいなってこと。
親ってありがたいなってこと。
勉強って、頑張れば結果が出るんやってこと。
受験は、人生において無駄なものじゃないってこと・・・・・・
人を好きになるって、めちゃめちゃ幸せなんやってこと。
黒岩ぁぁぁあぁぁあああ。
大好き。