センセイのチカラ―受験生応援小説―
サッカー姿
黒岩との会話を全部口に出すのは恥ずかしくて、ちょっと省略して瑠美に説明・・・・・・
瑠美は興奮して、授業中やってのに、大声を出した。
「ま、まじで!!!」
「瑠美、うるさい!!」
瑠美から回ってきた手紙には、こう書かれてた。
“卒業したら付き合えるんちゃう?”
あかんあかん。
そういうことは考えへんようにせな。
期待したらあかんねん。
と、自分に言い聞かせてるのに・・・・・・
頭の中では、高校生になった私と黒岩がデートしちゃってる。
「放課後、楽しみやな。先生から誘ったってことは、萌美がもっと好きになってもいいってことやん。絶対イイ感じやって」
私がもし瑠美の立場でも同じようなことを言うと思う。
確かに・・・・・・
黒岩の反応は、イイ感じ。
だからって。
付き合えるとか、私を好きってのとは違う。
それはわかる。
舞い上がらんように自分を抑えながら、放課後の教室でノートを開く。
黒岩ノートと名付けられたノート。
大好きな黒岩の字が並ぶ。
好きになると、顔とかだけじゃなく、声とか手とか、字とか全部好きになってしまうのはなんでやろう。
これが普通なんかな。
好きって感情は恐ろしいなと思った。