センセイのチカラ―受験生応援小説―
「お前・・・・・・反則やろ」
私の長い長い答えを見た黒岩は、顔を真っ赤にして、天井を見上げた。
告白した時もこんなに赤くなってないのに。
ノートの下半分にびっしり書かれた黒岩の好きなとこ。
英語苦手やから、単語をいっぱい並べただけ。
「合格したら・・・・・・もう一回、告白してくれる?」
「え?」
「その時は、ちゃんと答え用意しとくから」
答え?
どういう意味?
もう一回告白?
「先生、私のこと・・・・・・好きなん?」
ああああーーーー
また変なこと言ってもーた。
「ノーコメント」
「好きになってくれたん?」
「俺は何も答えません」
「教えてくれやな、勉強できひん」
「せこいな、お前・・・・・・」
頭抱えた黒岩は、私から少し離れた。
窓の外を見て、私を見て・・・・・・
また窓の外見て。
「好きに・・・・・・なるかもしれへん」
そう一言言って、教室からダッシュで出て行った。