センセイのチカラ―受験生応援小説―
と、いうのも・・・・・・
黒岩に質問に来る生徒も増えて、私が独占できんくなった。
だから、黒岩ノートだけ続けてる。
あれから1週間・・・・・・
ノートには、真面目な問題ばっかりで、もうあんなふざけた問題はない。
あれは夢やったんやろか・・・・・・と真剣に思う。
夢やったんかもしれん。
「何か質問あるか?」
頭上から声が聞こえて、我に返る。
「うわ!」
「何、びっくりしてんねん。変なこと考えてたんか?」
ニヤつく黒岩を見て、瑠美がもっとニヤつく。
瑠美の頭をコツンと叩いた黒岩が、小声で言う。
「どうせ、俺のこと考えてたんやろ」
やっぱり、夢じゃなかった。
ほんまに・・・・・・
近付けたんやんな、私。
黒岩にとって、ただの生徒じゃないんやんな。