センセイのチカラ―受験生応援小説―
毎日、一回は話せる。
でも、放課後の秘密の時間がなくなってから、熱い黒岩トークが聞けんくなったし、サッカー姿も見れんくなった。
「付き合えるんやから、今は我慢やで」
瑠美はそんなことを言って、私を冷やかす。
何となく・・・・・・
不安。
だってさ、
ちゃんとした約束なんてしてない。
ほんまに好きになってくれたんかどうかもわからんし。
「何、マイナス思考になってんの?昔の萌美は超プラス思考やったのに」
「そう?そうかぁ・・・・・・やっぱ、好きな人できると変わるんかな」
「しんみりした顔は似合わんって!萌美のあほぉーーー!」
思いっきり、背中パンチされて、目が覚めた。
そうや。
私は私。
恋をしても、私は私。
笑ってばっかりで、ノー天気で、あほなことばっかりしてるのが私。
そういう私を見て、黒岩は「好きになるかも」って言ってくれたんやもん。
不安になんかなってたらあかん。
それに、今は・・・・・・本気で勉強せなあかんねん。