センセイのチカラ―受験生応援小説―
「夜食いる~?」
ノックをして部屋に入ってきたお母さん。
いつも、軽い口調でこうして夜食を持ってきてくれる。
昼間のテレビで見たらしいけど、おにぎりが脳にいいとか言って、最近毎日にぎってくれる。
小さい頃から食べてるお母さんのおにぎりやけど、今食べてるおにぎりは最高に美味しい。
明太子とか、鮭とか、毎日違う具を入れてくれて。
あったかいお茶と、その横にちょっとした甘いものが添えられてる。
「風邪引かんように、これ首に巻いとき」
照れ屋なお母さんが私の首に巻いてくれたのは・・・・・・
不器用やのに。
手編みの、マフラーやった。
どう見ても手編みってわかるへたくそなマフラーやけど、愛情がいっぱいいっぱい詰まってるのがわかる。
「お母さん、ありがとう!!」
「ええねん。これくらいしかできひんから」