センセイのチカラ―受験生応援小説―





受験はひとりでするもんじゃない。




黒岩の言葉を思い出した。




うん。


ほんまにそうや。




ケンカもいっぱいした。


お父さんもお母さんも大っきらいって思ったこともある。


私の気持ちなんかわかってくれへんってスネたり、勉強勉強ってうるさいから反抗したり。




受験がなかったら、ケンカすることもなかったかもしれん。


でも、こんなにも感謝することもなかった。



お母さんだって、初めての“娘の受験”やったんや。


どう接していいか、迷ってたんやろな。



ただ、今わかるのは・・・・・・お父さんもお母さんも、私のことが大事やから叱ってくれたんやってこと。



たくさんの愛情を受けて、生きてきたことを改めて感じた。




こういうことか。


受験って。




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