センセイのチカラ―受験生応援小説―
合格発表
試験の日は、雪が降った。
大阪で雪なんて、珍しい。
見上げた空は、青くてびっくりした。
雪が降ってるのに、青空やった。
瑠美と“スベったらあかんで”と笑いながら、手を繋いで歩いた。
黒岩の顔と声を思い出して、目を閉じて集中した。
いつも使ってる文房具で、いつもと同じ気持ちで・・・・・・
“100%の力”が出せるように。
うん。
100%、出し切れた。
ちゃんと勉強したところは、ちゃんと解けた。
ちょうど前の日に覚えた熟語が出た。
黒岩にしつこく教えてもらった前置詞の問題が出た。
自分の力を信じて、最後の1分まで見直しをした。
受験が終わった。
結果は、まだわからへん。
でも、心は晴れやかやった。
スベリ止めの私立はもう合格をもらってた。
でも、一番行きたいのは、瑠美と一緒に受けた公立。
きっと大丈夫。
合格してる。