センセイのチカラ―受験生応援小説―
合格発表の朝、中学に寄った。
たくさんの生徒が、合格発表前に中学の先生に会いに来てた。
「黒岩おるかな」
職員室を覗くと・・・・・・
生徒に囲まれた黒岩が、笑顔で話してた。
スーツなんか着てて。
ドキドキする。
「何か、安心した」
私がそう言うと、瑠美は照れながら言う。
「あんたら、ほんまの恋人同士みたいやな」
黒岩の周りには生徒がずっとおったから、私と瑠美は担任のところい挨拶に行ってから、合格発表を見に行った。
この高校を受けようと思った時は、黒岩のこと好きじゃなかった。
でも、今から思えば・・・・・・
中学から一番近い高校やん。
「学校帰りに中学寄れるやん」
「ほんまや~!」
すっかり、合格した気分の私達。
受験前日に黒岩がくれた言葉。
“めっちゃ頑張ったんやから、安心しろ”