風になれ
「おい、もういいだろう」

当時から顧問だった徳元。
テストの後、私ががむしゃらに
練習するのを見て心配そうに
彼女は私に言った。

「でも、もうちょっとやりたいんです。
 私の家、すぐそこだから
 遅くなってもすぐに帰れるし」

悲しい悔しい気持ちを笑顔に変えて
心配してくれる徳元にそう返した。
何を言っても動かなさそうな私に
徳元はため息をついて
つきあってくれたりもした。

今でこそ変な役回りだけど
なんだかんだ私は徳元のこともすき。

下手だけどだいすきなテニス。
そのためにたくさん努力もした。
そのかいあってか
私は常に3番手をキープできていた。
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