風になれ
「私は昨日から警戒しています!
 霧ヶ窪さん、相手じゃなくて
 味方だったらよかったのに」

そう言うと
お互いさまですね、と返された。

くーっなんか余裕だなあ!
もっと頑張るんだから!!

「取れるよー!」

今度は私がレシーブ。

「勝負をしましょう」
「え?」

霧ヶ窪さんの声が聴こえた気がした
刹那。
彼女は私に向かって真っ直ぐ
重そうな球を打ってきた。

勝負をしましょう。

どうやら聞き間違いじゃないみたい。
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