風になれ
私は、きめてみせる!!
苦手だったスマッシュで狙うはコース。
榊原さんのいるところより遠い
左側のコースを。

「っはあっ!!」

ゆるく上がっていたボールは
私のラケットに当たった瞬間から
一気に加速して狙っていたところへ
一直線に向かっていった。
だけど…

「アウト!」

ぎりぎりのラインでアウトだった。
くっそー悔しい!

「ナイス野風!
 今のなら、次は絶対決まる!!」

ふいに応援席から願っていた声が
きこえてきた。

大地くん!

試合が終わってダッシュで来たのか
息を切らしていたけど
笑顔でぐっと腕を突き出してきて
私も自然と笑顔になる。
腕を突き返してまたコートに直った。

勝負は、ここからなんだから!
< 140 / 168 >

この作品をシェア

pagetop