風になれ

「ゲームカウント３ー３。
ファイナルゲーム、プレイボール」

始まった。
ここまで伸びることが
相手にとって予想外だったみたいで
本人たちも応援側もオーラがすごい。

「優子ーっ野風ーっ！！」

それに負けじと
みんなも声を張ってくれる。
大地くんと原田くんも男子を引き連れて
他校のひとたちまで見にきている
その空気は決勝戦さながらだ。

みんなのためにも負けられない！





「入るよーっ！」

ファイナルゲームでは何度か
チェンジサイズとサービスを繰り返す。
カウントはアゲインで私のサーブ。
相変わらずカットはためらって
上からのサーブを打ち込んだ。

「ナイッサー！」

ボールがこっちに飛んでくる。
走って…ボレー！

…と、あ、れ、れ？

どさっずざざざっといういやな音と共に
私の視界はひっくりかえった。