風になれ
「野風!!」

優子と、大地くんと、みんなの声が
きこえてきた。

「大丈夫ですか!?」

霧ヶ窪さんまでも。

ほんと最悪だ。
腕も脚も擦りむいて血だらけだし
顎も打ちつけて口の中まで切れてる。
一体どんな転びかたしたの私。
唯一の救いはボレーしたボールが
インだったこと。
アドバンテージサーバに持ってこれた…
だけど、いっっったいいいい!!

「野風、大丈夫!?
わ、すごい血だらけじゃない!」

優子と審判が駆け寄ってきた。

「これは…続行出来ないですよね」

審判のひとがおろおろしている。
優子も優子で当たり前です救急車!とか
騒いでるし。
おいおいおいおい。
私は!!

「私出来るんで続けます!!」
「「は!?」」

私の大声に優子と審判さんがハモった。

「いや、もーほんとに
血なんてすぐ固まるし大丈夫なんで。
ご迷惑おかけしましたあ!」
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