風になれ
「でも勝ったんだから、結果オーライ。
本当におめでとう、ふたりとも」

優子をたしなめるように
原田くんがそう締めた。

ほっほう大人っぽいね。
はてさてこちらの相方はというと。

んん!?
いない!?

「大地くんどこ!?」

呆れと焦りが混じって
私は少し声を裏返した。

「あ、大地来たじゃん」

焦る私を笑いながら
原田くんが指を差す。
その方向を見ると、確かに大地くんが
いつ入ったのかデパートの中から
鼻歌混じりに出てくるのが見えた。
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