風になれ
「何、え、どーいうこと!?」

大量の紙吹雪を髪につけたまま
私は三人に問いかけた。

「へへ、野風県大の日誕生日でしょ?
バタバタして祝えないと思って
今日サプライズすることにしたの。
五十嵐の案なんだよ」
「ばか、言わなくていいよ!」

ガラにもなく少し照れている大地くんが
手にしている紙袋を差し出してきた。

「ちょっと早いけど
俺からの誕生日プレゼント」

大地くんから誕生日を
祝ってもらうことは初めてで
紙袋を受け取る手が少し震える。

「おめでとうはまだ言わない。
県大頑張ろう」

そう言ってぎゅっと抱きしめてくれた。
嬉しい反面恥ずかしさで
ちらりと見ると優子と原田くんを見ると
ふたりとも微笑んでいた。

なんだ。
こどもなの私だけじゃん。

恥ずかしさを紛らわせるために
そう思ったけれど幸せすぎて
私も大地くんをぎゅっと強く
抱きしめ返した。
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